歯並びに影響する癖の改善|MFT

 

歯並びを悪化させてしまう原因の一つである「舌や唇などの癖」をトレーニングによって改善します。

MFT(筋機能療法)とは、お口の周りや歯並び周囲の筋肉のバランスを整えるトレーニングです。嚥下(飲み込み)・発音・食事時の舌や唇の使い方を正すトレーニングを行ことで、舌の位置を正常化し、自然に口を閉じていられるようになります。

それによって、歯や歯並びへの悪影響を防ぐことができます。お子さまの場合には、歯・歯並び・骨格をより正常な成長発育の軌道に乗せて、健全な発育を促すことができます。また、矯正治療後のキレイな歯並びが再び崩れてしまうのを防ぐ効果があります。

歯並び周囲の悪い癖とは?

画像:治療の流れ

バクシネータメカニズム

歯列は、唇・頬の肉・舌といった筋肉に四方を囲まれています。歯はこの筋肉の圧力のバランスの取れた位置に安定して並ぶと言われています。

もし唇が前歯を中に押す圧力が弱くて、舌が前歯を外に押し出す圧力が強ければ、徐々に前歯は外側の方へ押し出されていってしまいます。結果として前歯の飛び出た歯並びとなり、口元が出たようなお顔立ちになります。

もし日常的に舌を前方に押し出す癖があるとすれば、前歯は外側に押し出されて、上下の前歯の重なりが少なくなり開咬(前歯が閉じない症状)になります。

また他の例としては、唇を閉じる圧力が強すぎる場合には、前歯が内側に押されて内側に倒れ込み、歯列のでこぼこが生じます。

他にも、成長期にいつも食事を片側だけで噛んでいたり、左右非対称な生活習慣のある方は、歯列や成長が左右非対称生になってしまう場合もあります。

このように歯列周囲の筋肉バランスや習慣に異常があると、歯並びに悪影響を及ぼします。こういった悪い習慣のことを「悪習癖」といい、それを改善するトレーニングのことを「MFT(筋機能療法)」と呼びます。矯正歯科治療においてMFTは非常に重要です。

歯並びに影響する癖の種類

画像:指しゃぶり

指しゃぶり

指しゃぶりをしていると、出っ歯(上顎前突)や開咬(オープンバイト)になる場合があります。また頬をすぼめて指しゃぶりしている場合には、上顎の歯列の幅が狭くなって「狭窄歯列」となり、上下の奥歯のかみ合わせがハサミのようにズレて「交叉咬合」「鋏状咬合」などの不正咬合になる場合もあります。

指以外にも、ガーゼ・タオル・おしゃぶり・爪・鉛筆などを噛んだりくわえたりする癖も悪い影響を与えます。これらの癖は3歳頃までならあまり問題ないとされていますが、4歳以降も続くと歯並びとあごの成長に影響を及ぼします。

指しゃぶりは精神面との関わりが強く、寂しさを紛らわすための行動とも言われており、癖をやめさせるにはタイミングが大切です。卒乳の時や、言葉の理解ができた時、お友達ができたなど社会性が発達した時に、やめた方が良い理由をきちんと説明して、できるだけ自分自身で「やめたい」と思えるようにサポートしましょう。叱ったり、急かしたりすると、かえってお子さまにストレスを与えて逆効果となることがあります。

画像:舌突出癖(舌を前に出す癖)・異常嚥下癖

舌突出癖(舌を前に出す癖)・異常嚥下癖

舌を前に出したり、口を開けて上下前歯の間に舌をはさんだり、舌で裏側から歯を押したりする癖を、「舌突出癖」または「舌癖」といいます。また、飲みこむ動作(嚥下)をする時に舌癖がある状態を「異常嚥下癖」と呼びます。これが続くと、開咬や、出っ歯(上顎前突)、受け口(下顎前突)になってしまいます。

この癖は、舌の先端の位置が本来の正しい位置よりも、やや前方で低い位置にあるのが特徴です。上下の前歯の間から舌が見え隠れし、発音が不明瞭になったり、食べる時に音をたててしまうなど、日常生活にも影響がでます。

舌癖の原因

  • 幼児期における幼児型嚥下から成熟型嚥下への移行不良
  • 口を開けて息をする鼻の病気(アレルギー性鼻炎、慢性鼻炎、蓄膿症など)
  • のどの病気(扁桃肥大、アデノイドなど)
  • 舌の裏のひも(舌小帯)が短い
  • 指しゃぶり
  • 弄舌癖(いつも唇をなめる癖)
画像:頬杖(ほおづえ)

頬杖(ほおづえ)

頬杖を続けていると、かみ合わせが深くなったり、顎の成長に支障をきたしたり、かみ合わせがずれることがあります。ほとんどの場合が無意識でしていることが多いので、自覚させてやめるように促しましょう。5〜6歳以降に現れやすいとされています。

画像:口呼吸

口呼吸

口呼吸をしている人は、長時間お口が開けっ放しの状態になります。そのため、常に下あごと舌の位置が下がっている状態になり、お口の筋力やあごの成長発育に悪い影響を与え、あごの幅が狭くなったり、前歯が出やすくなったりします。

また、口内が乾燥して細菌が繁殖しやすく虫歯や歯周病のリスクが高くなり、さらには体内に細菌が入りやすいために免疫力低下の原因にもなります。

習慣的な口呼吸のみであれば、お口周りの筋肉を鍛えるトレーニングで改善されることもありますが、歯並びに問題があり口を上手に閉じられないような場合は、矯正治療により前歯の位置を整えたり、慢性的に鼻が詰まる「アデノイド(咽頭扁桃の肥大)」などがある場合は耳鼻咽喉科での治療が必要となります。

MFTの対象となるケース

画像:指しゃぶり

舌突出癖・異常嚥下癖がある

舌突出癖が日常的に生じると、前歯が押されて歯が前に出てしまい、口元が出たようなお顔立ちになってしまったり、開咬になって前歯でものが噛み切れなくなったりしてしまいます。矯正治療中は治療がスムーズに進行するために、また矯正治療後はキレイに並んだ歯が長期に安定して続くようにするために、MFTが必要となります。

MFTの目的は、この癖を取り除き、正しい舌の位置、飲み込み方を身につけることです。お口周りの筋肉が弱く、舌を正しく動かせない方も多くいらっしゃいますので、筋肉のトレーニングを行いながら、正しい習慣を身につけていきます。

歯並びを悪くする原因となっている舌癖を止めることで、歯並びが改善する場合もあります。なかなか止められない場合は、矯正装置などの力を借りる必要があります。

画像:舌突出癖(舌を前に出す癖)・異常嚥下癖

指しゃぶり・口呼吸・偏咀嚼などの悪習癖がある

3歳頃までの指しゃぶりに関しては生理的なもので特に心配はいりませんが、3〜4歳以上になっても指しゃぶりを続けていると、歯並びに非常に大きな影響を与えます。舌の動かし方や飲み込み方にも異常がみられることがあります。

口は心理面と密接な関係があるため、寂しかったり、怒られたり、不安を感じていたりと、心に何らかのうっせきや抑圧があることが考えられます。焦らずに、お子さまに愛情や安心感を与えながら、「いけないこと」だと少しずつ気付かせてあげてください。叱りつけたりするのは逆効果で、自分でやめたいと思うことがとても大切です。回数が減れば、ほめてあげてください。

指しゃぶりをやめるとともに、正しく口腔周囲の筋肉が使えるようにMFTを行います。

画像:舌の下の筋が張っていて長い(舌小帯の強直)

舌の下の筋が張っていて長い(舌小帯の強直)

舌の裏のひも(舌小帯)が短いと、舌を上に持ち上げることができないため、舌を前方に出す癖がついてしまいます。舌を上にもち上げるためのトレーニングを行い、舌を正しく使って飲みこめるようにMFTを行います。

画像:矯正歯科治療を受けて大きく歯列が変化した

矯正歯科治療を受けて大きく歯列が変化した

矯正歯科治療では、症状の程度により歯列や歯並びの変化量も人それぞれです。特に大きく状態を変化させて改善させた場合や、元々のかみ合わせが大きくずれていた場合などには、治療後にあごやの位置やかみ合わせ、特に上下の前歯の位置が大きく変化します。新しいかみ合わせに合わせた舌の位置、飲みこみ方、筋肉のバランスを整えるために、MFTが必要です。このような状況が予想される場合には、矯正の治療と並行してMFTを行っていきます。

画像:外科的矯正治療における外科手術を受ける

外科的矯正治療における外科手術を受ける

外科矯正をすると手術当日の1日であごの位置とかみ合わせがかわってしまいます。新しいかみ合わせに合わせた舌の位置、つばの飲みこみ方、筋肉のバランスを整えるために、MFTが必要となります。

悪習癖によって起こりうる症状

歯・歯並び・かみ合わせ

上記以外

  • 摂食(食物を細かくする)障害
  • 嚥下(飲み込む)障害
  • 発音障害
  • 呼吸障害(口呼吸・睡眠時無呼吸症候群 Sleep Apnea)
  • 顎関節症
  • 歯周病
  • 舌痛症
  • ドライマウスの症状悪化
  • 入れ歯(義歯)の不安定化
  • アデノイド様顔貌

これらの症状に対して、口腔筋機能を整えておくことは有効に働きます。特に成長発育期のお子さまの場合には、口腔機能の発達とともに、歯並びやかみ合わせ、あごの歪みなどの発育にも影響する場合があるため、早期受診、早期の筋機能訓練の開始、早期治療の必要性の判断が望まれます。まずは一度当院までご相談ください。

お口の筋機能のセルフチェック方法

チェック方法は簡単です。まずは鏡と水をいれたコップを用意してください。下記の項目を試してみて、該当したものをチェックしましょう。

01
普段の舌の位置は歯と歯の間から出ているあるいは下の前歯を押している
02
舌の脇に歯形のようなへこみがある
03
口唇を閉じて鼻だけでしばらく呼吸をすると苦しい
04
普段口唇を開けている
05
口唇を閉じると筋肉が緊張し、オトガイ部(下顎の先)にシワができる
06
口唇を閉じるとヘの字になる
07
水を飲むとき舌が歯と歯の間から出てコップを迎えにいく
08
水を飲み込むとき前歯で舌を噛む
09
水を飲み込むとき口唇に力が入る
10
サ行やタ行を発音するとき歯と歯の間から舌が出る("th"になる)

該当した番号によって、以下の症状が考えられます

01〜02
低位舌(舌の先端が下顎前歯の裏側にある)
03
鼻呼吸がうまくできていない
※一度、耳鼻科医を受診してみることをお勧めします
04〜06
口唇の筋力が弱い
07〜09
異常嚥下癖(正しい飲み込みができない)
10
発音や滑舌が悪い、舌ったらずな喋り方

どれか一つでも該当する人は、ぜひ筋機能療法をやってみてください。どれにも該当しない人でも、例えば、お口の筋力がバテないように口唇や顔面の筋肉をもっと鍛えてたい人や、楽器を演奏している人で舌を鍛えてタンギングのキレをよくしたい人、フェイスラインを引きしめたいと思っている人にも、MFTはお勧めです。

MFTトレーニング

目的・目標

  • 舌と唇の正しい位置、使い方、動かし方を身につける
  • 舌の正しい位置を身につけるために、舌自体や舌を持ち上げる筋力を強くする
  • 口唇閉鎖性を向上させるために、唇や頬などの歯列周囲の筋カをつける
  • 咬む筋肉(咬筋)が緊張する感じを覚え、鍛える
  • 正しい嚥下の過程を習得するために、正しい飲みこみ方を覚える
  • 日頃の生活の中で、正しい舌の位置や唇の使い方、嚥下を習慣化する

準備するもの

  • 手鏡(10cm以上の顔全体が映るものがよい)
  • 木製のスティック(割りばしの割っていないものでOK)
  • ストロー1本(細めのごく普通のもの)
  • スプレーボトル(アイロンがけで使うような普通の霧吹き。ノズルを緩めて水の出方を直線状に調節できるもの)
  • ボタン(直径2.5cm位の薄い物)と、細い紐(タコ糸がベター)30〜40cm

MFTトレーニングの方法

MFTトレーニングの中から代表的なものをご紹介します。これらのトレーニング方法の中から、相応しい練習方法を選択して、それぞれ1日2回(2時間以上間隔をあける)、毎日、約2週間程度、継続して行います。そして、トレーニングの成果を評価し、効果を確認しながら、必要に応じて次のレッスンへと進んでいきます。 トレーニングを行うときには、必ず鏡を見ながら行いましょう。

画像:スポットポジション

01スポットポジション

リラックスしている時や、飲み込む時の舌の先の正しい位置を覚えます。その「舌先の触れる位置」を「スポット」と呼びます。「スポット」の位置は、上あごの前歯裏側より少し後ろの粘膜が膨らんだところ、上の前歯の裏側の付け根から5〜10mmくらい後方くらいと覚えてください。

画像:スポットポジション 01

01まず、スティックでスポットを触り、ゆっくりと3秒数えましょう。

画像:スポットポジション 02

02次に、スティックを離し、同じ場所を舌の先で触り、ゆっくりと3秒数えます。このとき、舌を丸めないで、舌の両サイド脇を締めて舌先を尖らせます。

以上を5回繰り返します。

画像:スポットアンドスポット(舌を振ってスポット)

02スポットアンドスポット(舌を振ってスポット)

普段何もしていないときや飲み込むときに舌の先が触れる位置を「スポット」と呼びます。舌の動きを良くして、舌が無意識でもスポットに行くことができるようになるための練習です。

画像:スポットアンドスポット 01

01まず、口の外で舌を尖らせて左右に振ります。慣れてきたら素早く左右に振ります。

画像:スポットアンドスポット 02

02合図に合わせて舌の先でスポットを触ります。慣れてきたら舌を細くして左右に振り、合図が鳴ったら素早く舌先をスポットに付けましょう。(できたら誰かに頼んで突然「スポット!」と合図を言ってもらうとよい)

以上を5回繰り返します。

画像:ポッピング 10回

03ポッピング 10回

舌を上に持ち上げる筋肉の力を鍛える練習です。

01舌全体を上あごに吸い付け、口を大きく開けて舌の裏のヒモ(舌小帯)を延ばします。このとき「舌の先がスポットにあること」「舌の前の方だけでなく、後ろの方まで、舌の表面全体を上あごの裏側に吸い付いていること」「舌の奥の方の両サイドが上の奥歯を覆わず上の歯列の内側に収まること」「片方が下がったりせず左右対象に上に吸い付けること」が必要です。また、口を開けるときは、下あごを前に出したり横にズレさせたりせずに、まっすぐ開けます。

02次に、上あごに張り付けた舌を下におろして、勢い良く「ポン」と音を鳴らします。舌全体がしっかりと吸い付いていないと大きくキレイな音が鳴りません。しっかりとポンッと鳴るように練習します。音が軽かったり、小さかったり、鳴らない場合は、舌の表面全体がしっかりと張り付いていない証拠です。

これを10回繰り返します。慌てずにゆっくり数えて、「1、・、2、・、3、・、ポンッ」くらいのスピードで行いましょう(速や過ぎると良い練習になりません)。音がしっかりと鳴らない人は、まずどんな音でも良いから「ポン」と音を出すことから始めましょう。音は舌の表面がしっかりと張り付いているほどに良い音と鳴ります。如々に舌全体が上あごに吸い付くように意識して、少しづつ舌の舌にあるスジ(舌小帯)を伸ばすようにします。

画像:スバイト 5回

04バイト 5回

咬む筋肉が緊張している感じを覚え、鍛えます。

01両手をエラに置いて、ギュっと強く歯を噛みます。すると、筋肉が緊張し固くなるのを感じます(咬筋)。

02次に、両手をコメカミに置いて、ギュっと強く歯を噛みます(側頭筋前腹)。

03最後は、両手を耳の上に置いて、ギュっと強く歯を噛みます(側頭筋後腹)。

これを5回繰り返します。このプログラムはゆっくり数えて行いましょう。タイミングは、「おさ、えて、ギュッ、休み」くらいの速さです。筋肉を感じますか?左右が同じくらいに触れますか?筋肉がよく触れない人は食事もほとんど前歯で噛んでいるかもしれません。奥で噛むようこころがけましょう。左右の強さの違う人は、弱い側の奥歯でガムを噛んで鍛えてみましょう。

画像:バイトポップ 10回

05バイトポップ 10回

噛む筋肉と舌を持ち上げる筋肉を強くします。

両手を咬筋(エラのあたり)に置き、奥歯で噛むと同時に舌全体を上あごに吸い付けます。次に舌を上あごに吸い付けたまま口を大きく開けて舌の下のヒモ(舌小帯)を延ばします。そして、舌を下におろし「ポン」と音を立てます。これを10回くりかえします。

画像:オープンアンドクローズ

06オープンアンドクローズ

舌を持ち上げる筋肉を強くします。舌を上あごに吸いつけたまま大きくあけたり、噛んだりをくり返します。噛んだときも唇は開けたままです。

画像:サッキング 10回

07サッキング 10回

舌の横の部分の力を強くする練習です。舌を上あごにつけてストローをかみ、舌の横の部分を使って音をたてます。

画像:スラープアンドスワロー(ストローあり) 左右5回

08スラープアンドスワロー(ストローあり) 左右5回

正しい嚥下(飲みこみ方)を覚える練習です。舌を上につけて飲み込むことと、舌の脇を使って水を奥に集めることを練習します。

01舌の先をスポットにつけて舌全体を上あごに吸いつけ、上の犬歯(糸切り歯)の後ろにストローを置いて、舌の裏側に当てます。そして、そのまま軽く歯をかみあわせます。

02スプレーで口の横から奥歯に向かって水を吹き入れ、音を立てて水を吸い込みます。後ろにに水を集めたら、奥歯を噛んだままゴクンと飲み込みます。

これを左右交互に5回ずつくりかえします。正しい嚥下では口唇は軽く閉じていますが、この練習では口唇を開けて状態で飲み込みます。そのため、鏡で嚥下時の舌の状態がチェックできます。舌が前に出てこないよう舌の先をスポットから離さないように練習します。

画像:スラープアンドスワロー(ストローなし) 左右5回

09スラープアンドスワロー(ストローなし) 左右5回

嚥下(飲み込み)の練習です。

前項のスラープアンドスワローをストローなしで行ないます。舌の先をスポットにつけて奥歯をかみあわせます。スプレー(霧吹き)で口の横から奥歯に向かって水を吹き入れ、音を立てて水を吸い込みます。後に水を集めたら、奥歯を噛んだままゴクンと飲み込みます。これを左右交互に5回ずつ繰り返します。

画像:サッキングスワロー 10回

10サッキングスワロー 10回

舌の横の部分の動きをよくする練習です。口を閉じてサッキングをします。次にスプレーで水を入れ、口を閉じて舌の横の部分を使って、水を吸いこんで飲みこみます。(唇や頬の筋肉には力を入れない。)

画像:ポスチャー 5分間

11ポスチャー 5分間

舌をいつも上あごにつけておく意識づけをします。

上記で紹介した01〜04の練習後に、上の犬歯の後にストローを置いて歯をかみあわせ、口唇を軽く閉じます。なるべくストローの力に頼らず、できるだけ舌の力で上あごに吸いつけるようにします。くれぐれも舌の先はスポットに。そのまま5分間(またはそれ以上)そのままで。テレビを見たり、読書をしたり、口をきかないで、できることをやりながらやってください。

画像:「カッ!」スワロー 10回

12「カッ!」スワロー 10回

正しく飲み込むときの舌の奥の部分と、のどの動きを覚える練習です。

舌の後方部を上に持上げる感覚を覚えます。正常な嚥下中には舌後方部が持ち上がります。口を大きく開けて、舌の先を人さし指で押さえ、舌の先が下の前歯の後ろから動かないようにして、「カッ!」と声を出します。この時、舌の後方部が上に持ち上がるのを確認します。「カ」は母音Aより子音Kを強めに発音しましょう。
次に、舌の先を押さえたままスプレーでのどの奥めがけて水を吹き入れ、舌の後方部を持ち上げて飲み込みます。「カッ!」と声を出したときと舌の動きが同じくなるようにします。これを10回くりかえします。上手くできないときは、上半身を後ろに倒して行なう(または仰向けになる)とよいでしょう。

画像:クイックスワロー 10回

13クイックスワロー 10回

水を飲み、正しい飲み込み方を身につけます。

正しい飲み込み方が身についているかどうかを確かめます。コップの水をひと口ずつ、できるだけ速く口を閉じて飲み込みます。飲み込むときに、奥歯を噛みしめて舌が歯と歯の間に出ないようにしましょう。舌の先はいつもスポットに。

画像:リップエクササイズ 10回

14リップエクササイズ 10回

口のまわりの筋肉に力をつける練習です。

ボタンプル

唇や顔面の筋肉を強化します。唇や顔面の筋肉が弱かったり、いつも緩んでいると、歯並びが悪くなったり、矯正治療後のかみ合わせが安定しなかったりします。

01直径2.5cm位の薄いボタンに、30〜40cm程度の長さのタコ糸やデンタルフロスのような細いひもを通して輪に結びます。

02ボタンを唇の裏(歯の前)に入れ、唇を閉じておさえます。ボタンが口から飛びだす寸前の程度の力で紐を前方にひっぱります。そして力をゆるめます。

これを10回繰り返します。もし、バネばかりがあるようでしたら、紐に引っかけて何グラムまでボタンを維持できるか測ってみてください。2kg以上なら優秀です(ボタンの大きさによって多少違います)。筋肉を鍛えるために、この練習を継続的に行うと効果があります。

リッププル

唇を引き伸ばします。口を開けている癖のあったり小さい頃指しゃぶりをしていて出っ歯気味の人には、上唇の短い人が多いようです。唇が短くて楽器演奏時息が漏れたり力が入ってしまう人には効果があるかもしれません。

01まず下唇の上に人さし指をのせ、下の前歯から下唇を離すように軽く押し下げ口を開きます。

02次に上の前歯を覆うように、鼻の下をできる限り長く伸ばします。そして休み、また伸ばすことを10回繰り返します。

画像:ほほの筋肉の練習

15ほほの筋肉の練習

1日50回以上行います。頬の力をつけるトレーニングです。水を口に含み、頬を片方ずつふくらませて水を左右に動かします。(水の入っている方の頬を思いきりふくらませること。)

よくいただくご質問

「筋肉のバランスが釣り合っていない」とはどのような状態ですか?

歯の位置や角度に影響する口の内側、外側の筋肉のバランスが悪い状態で、具体的には、口呼吸やいつも口を開けていたり、上下の歯の間から舌が出ている状態などです。歯には、外側からは唇や頬からの力が、内側からは舌からの力がかかっています。この力のバランスがつりあっていると歯は正しい位置を保てます。

これに対して、いつも口をぽかんと開けていたり、いつも口で呼吸をしていると、唇から歯にかかる力が少なくなりますので、歯は外側に出てきてしまいます。このことは多くの研究で明らかにされています。普段いつも上下の前歯の間から舌がはみ出していたり、舌がだらんとしている状態(低位舌)では、口の内側から外側に向かって歯を押し出している状態となり、歯が外側に出てきたり、歯と歯の間に隙間ができたりします。

また、指しゃぶりや爪噛みなどが長期に続いていると、歯並びやあごが指の形に合って変形してしまいます。また、食べたり飲み込んだり、話したりする時の筋肉の働きが正しくない場合にも問題が起こることがあります。このような状態のことを「舌癖(ぜつへき)」「異常嚥下癖」「口腔周囲筋の機能異常」などと呼びます。

口の筋肉のバランスが正しいというのはどのような状態ですか?

安静時(リラックスしている時)の正しいお口の状態

  • 唇は軽く閉じ、鼻で呼吸している。
  • 舌は上あごと接し、歯を押していない。
  • 嚥下時以外は歯は合わさっていない。

食べる時・飲み込む時の正しいお口の状態

  • 前歯で食べ物を捕らえ、舌で後方に送り、奥歯でよく噛み砕く。
  • 唇は軽く閉じており、クチャクチャという音が出ない。
  • 飲み込むときには歯がしっかりと合わさり、顔はリラックスし、舌が突出しない。

MFTを行うと、歯並びにはどんな変化が起きますか?

個人差はありますが、矯正装置を使用せずに歯並びが改善される場合があります。お口周りの筋肉が大きく影響している人であればあるほど、筋肉の働きが正しくなるにしたがい、歯並びが整ってくることがしばしばみられます。ただし、歯並びが悪くなる原因は筋肉の働きだけではありませんので、MFTを始める前には詳しい検査が必要です。検査の結果によっては矯正治療とMFTを組み合わせて行うこともあります。先にしばらくMFTを行ってから矯正治療を行うこともあれば、矯正治療とMFTを同時期に行う場合もあります。治療前によくご説明いたします。

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